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	<title>患者の心得 | 良い歯医者どっと混む</title>
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	<description>良心的な歯科クリニックがきっとみつかる</description>
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		<title>歯医者に治療を急かすのは、治療の質を落すのと同義</title>
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		<dc:creator><![CDATA[良い歯医者選定委員会]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 17 Feb 2021 06:09:20 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[患者の心得]]></category>
		<category><![CDATA[モンスターペイシェント]]></category>
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					<description><![CDATA[目次 紅の豚が患者だったら、歯医者に仕事を急かさない？突貫工事で良い仕事ができるはずがない！入れ歯の神髄は、調整にあり 紅の豚が患者だったら、歯医者に仕事を急かさない？ 　スタジオジブリの作品に「紅の豚」というのがありま [&#8230;]]]></description>
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<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc1">紅の豚が患者だったら、歯医者に仕事を急かさない？</span></h2>



<p class="wp-block-paragraph">　スタジオジブリの作品に「紅の豚」というのがありまして、日テレ系で何度か放送されたので、一度くらいはご覧になった方も多いと思います。監督は宮崎駿さん。彼はこの作品で、男の本当のカッコ良さとはなにか、を追求されました。肥えた豚にして飛行艇乗りの主人公、ポルコ・ロッソの声をつとめたのが森山周一郎。あの渋いダミ声で、しびれるセリフをストーリーの随所に散りばめていきます。その中で、特に記憶しているのが次のシーン。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　ポルコの飛行艇の改修を任された若き飛行機技師、フィオ・ピッコロ嬢が、眠ることすら惜しんで働くことを告げます。するとポルコは、睡眠は十分にとるように、急ぎの仕事にロクなものはない、だいいちお肌にもよくない、と一喝する­­­――なんでここにしびれたかと申しますと、それはわたくしの仕事が歯医者であるからなのだと考えております。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc2">突貫工事で良い仕事ができるはずがない！</span></h2>



<p class="wp-block-paragraph">「再来週までに、入れ歯を作ってくれませんか」</p>



<p class="wp-block-paragraph">　こんな依頼は年中食らいます。“食らう”と表現するからには、迷惑な依頼、早い話が無茶ブリってことなんです。だいたいが、予約もなしに飛び込んでくる人ですよね。わたくしをホームドクターと認め、定期検診には快く応じ、予約もすっぽかさない、不具合があったら早めに受診する、そんなご自分の健康管理に責任をお持ちの方なら、先のようなご無体なことは、まずおっしゃらない。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　で、わたくし、笑顔を浮かべつつも、にべなく首を横に振りますと、</p>



<p class="wp-block-paragraph">「え～、そんなあ。孫の結婚式があるんですよ。せめて前歯が綺麗にそろっていないと……」</p>



<p class="wp-block-paragraph">　それがわかってんのなら、どうしてもっと早く来ない？　もちろん、このように斟酌なくは言いません。だけど、言葉は選ぶにせよ同じ内容を申し上げます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「だって忙しかったんだもん」</p>



<p class="wp-block-paragraph">忙しいよ、こっちも、あんた以外の患者も。あんたの入れ歯作りを優先するために、他の患者に入れるものの製作をストップする筋合いはないんだぜ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「披露宴のお料理、うんと奮発したの。〇〇シェフがプロデュースしたフレンチなのよね～。美味しいもの、たっくさん食べたいのよ。結婚式まで“まだ”二週間くらいあるじゃないの。それまでになんとかなるでしょ？」</p>



<p class="wp-block-paragraph">　なんとかなりません、絶対に。美味しいものを召し上がりたいのなら、なおのこと。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　業界外の人の感覚なら、二週間もありゃあ入れ歯のひとつくらい作れそうな気がする。たしかに入れ歯らしきものはできますが、それは“入れ歯の形をしたプラスチック”でしかない。わたくしに言わせりゃあ、失われた歯の代用をする、いわば人工臓器としての入れ歯なんかでは決してない­­­――意味がわかんないよ、という声が聞こえてきそうですが、それは入れ歯には必ず調整が必要だからなのです。それも一回や二回じゃあない。小さいものでも最低は三回ていど、総入れ歯でしたら十回以上に及ぶことも珍しくはない。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><span id="toc3">入れ歯の神髄は、調整にあり</span></h2>



<p class="wp-block-paragraph">えっ、入れ歯って歯型を採って作るんでしょ？　だったら一回でピッタリ合いそうなものじゃない！</p>



<p class="wp-block-paragraph">と仰せの御仁、ここからが本題です。そもそも入れ歯とは、歯ぐきの上に乗っけて使うもの。ちょっと触ったくらいじゃあ歯ぐきは固くしまっているように感じますが、歯に比べたら、それはもう柔らかい柔らかい……。入れ歯はこの柔らかい、言い換えればあやふやな形をした歯ぐきを歯型に採って作るわけでして、つまり、どんなに精密に歯型を採ったとしても、それは歯ぐきのほんの一時の形を写し取ったに過ぎないのです。ですから完成した入れ歯と、実際の歯ぐきは微妙にフィットしない部分が出てくる。それは何も食べていないとき、堅いものを咬んで強い力がかかっているとき、“べろ”をぶん回して楽しくおしゃべりしているとき、その時々によって形が違うでしょうし、当然のことながら“当たり”も出てくる。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そんなの、歯医者の腕いかんでどうとでもなるでしょうっ、て？　いやいや、そこが入れ歯の難しいところ。例えばですよ、砂利の上に正座するのと、体育座りするのとではぜんぜん痛さが違いますよね。これはスネとお尻の肉の厚さに関係しているわけです。肉厚なところにはクッション性があり、そうでないところはただ痛いだけ。お口の中にもこれと同じことが言えまして、歯ぐきが薄く、すぐ下に顎の骨があるようなところは、かかる力を加減してやらなきゃならない。なのにこの肉の厚さというやつが、歯型だけではわからんのですよ。それを補うのが調整ということになります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ですから、わたくしは入れ歯を作ったのなら、ひと月くらいは調整に通ってもらいます。披露宴で美味しいものを召し上がりたいのなら、せめて二カ月はちょうだいとも。そしてこうも言います。こいつはまだ入れ歯と呼べるしろものじゃあないんだ。三回くらい調整させてもらってはじめて、使ってやってもいいかな？　そして、あなたがＯＫを出した時点でようやく“入れ歯”になるんだよ、と。入れ歯の神髄は調整にあるわけです。だから冒頭の突貫工事で入れ歯を作れっていうやつは、江戸の昔で言うところの“入れ歯師”の感覚なんですな。えっ、あたしゃ優秀な入れ歯師にさえめぐり合ったことないって？　こりゃまた失礼いたしました！</p>



<p class="wp-block-paragraph"><span class="bold-red"><span class="fz-24px"><span class="fz-28px"><a href="https://yoishika.org/citationreprint">この記事の引用転載について</a></span></span></span></p>
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